
毎年必ずどこかで目にする愛らしいお花です。冬の間に球根を植え付け、春の開花を楽しみに待つチューリップファンはたくさんいます。
花壇に植わっているチューリップを愛でるのもよし、切り花として窓辺やキッチンテーブルに飾るのもよし。楽しみ方も様々です。
国華園でも毎年、チューリップ球根といえば秋植え球根の目玉商品。
新品種探しや品揃えにも気合いが入りまくっております。
チューリップ球根の販売はコチラから!



10月・11月は秋植え球根出荷のピーク時期です。
この時期に注文が集中するため、出荷場も大忙し。ついでに人気品種や新品種などはどんどん品切れていく時期でもあります。
さて、弊社のチューリップ担当バイヤーは、オランダまで直接出向いて新品種を探したり農園と交渉したり、日本に帰ってきたかと思えば出荷場で指揮をとっていたりと、あちこち飛び回っているのでなかなかつかまえる事ができません。ついでに寡黙でクールな性格なので話を引っ張り出すのも一苦労なのですが、そこはちょっと頑張りました。
社内でインタビューというのはなかなか気恥ずかしいものです。
でも色々と訊きたい事もあったので、この際と思い、まとめて答えてもらってきました。
1:よくお客様からも質問を頂くのですが、なぜこんなに安いのですか?
(一番安い球根は1球8.5円(普通球・赤花・1100球)なんです……!)
当社のオランダ産球根の輸入量は国内でもトップクラスです。オランダの公園や農園の、見渡す限りのチューリップ! な写真を色々見せてもらうと、たくさん植えた方がキレイというお話にも説得力があります。出張にオランダに行くたびに、飽きもせずチューリップの写真を撮ってきては見せてくれますが、確かに本当に綺麗です。ちょっと、そんな写真の一部をご紹介してみます♪
一括で大量輸入を前提に仕入れをすすめるため、有利な交渉が可能です。
そのうえ、弊社がいただく利益もかなり抑えめに設定しています。なぜなら!
チューリップというのはたくさん植えてこそその美しさが引き立つ花です。
同じ植えるのなら、たくさんのチューリップを植えて頂きたいのです!
ですから、他社でも人気のある高級品種もできる限り余計なコストを省き、安く価格設定できるようにしています。




キューケンホフ公園のチューリップが満開の時の写真です。たくさんのチューリップが咲き誇っている様は壮観ですね!
2:バイヤーとして苦労話などはありますか?
特に苦労はないですね。バイヤーの鑑のようなお答えですね! いやでもオランダ出張は羨ましい。同行してみたいです。
逆に新しい品種を探しにオランダに行って、生産者やショーガーデンをまわることは楽しみでもあります。これぞと思う品種に出会ったときは、本当にワクワクします。
オランダはチューリップの生産にとても適した気候なので、高品質の球根が採れます。
3:チューリップでお気に入りの品種・オススメの品種を教えてください!
バイヤー:沢山あるんですが……。
私 :3つくらいに絞ってください!
バイヤー:じゃあ定番系3つと、新しいめの品種2つで!
定番系ちなみに新しい品種は、まだあまり数がないので、気になる場合は早めに注文した方が良いとのことでした。
1:アンジェリケ
桜のような薄い桃色とふわりとした花弁の重なりが、繊細でとても美しいチューリップです。当社取り扱い品種の中でも最も人気のある品種です。
2:ミッキーマウス
黄・赤の2色咲きならばミッキーマウスが一番! 黄と赤のバランスが良く花も比較的大きいです。全体のバランスも良い品種です。
3:バレリーナ
チューリップでは一番というくらい香りが強いです。ユリ咲きのシャープな花姿も魅力的。
比較的新しい品種
1:センシャルタッチ
ドレスチューリップシリーズとしてフジンジ咲でかつ八重咲きの品種を販売していますが、その中でも特に花弁が多く、花にボリュームがあります。
2ベリシア
あまり書いてませんが、この品種は結構、枝咲きになります。昨年当社でテストしたものは、ほとんどの球根が2~3輪/茎になりました。八重咲きですのでボリューム満点です。
実はオススメの冬咲きチューリップ球根
もう1つ……!
ちょっと高いんですが、冬に咲くチューリップがとても良いのでお勧めさせてください。
2月頃という、花の少ない季節に咲き、しかも寒い時期の開花ですので花持ちが抜群に良いです。15℃くらいの気温だと、最大1か月咲き続ける事もあります。しかも、寒い中じっくり育つので花茎がしっかりのびて切り花にも最適!
4:バラエティ豊かな花ですが、全部で何種類くらいあるんでしょうか?
チューリップの種類分けは一般的に15種類に分かれます。えー、訊いた事を後悔するレベルの種類でした……頭になかなか入らないです。
早咲きは
①一重早咲き(SE):花は小さく、草丈も低い物が多い。アプリコットビューティーなど。
②八重早咲き(DE):八重咲きでこちらも、花は小さく、草丈が低い物が多い。
フラッシュポイントなど。
中咲きは
③トライアンフ(T):一重早咲きと一重遅咲き品種の交配されたもの。最も品種が多い種類。ノーブルチューリップセットの3品種 (パールフラッグ、ポールシェラー、シャーリー)など。
④ダーウィンハイブリッド(DH):一重遅咲きとフォステリアナ(原種)を交配させたもの。ピンクインプレッション、レッドインプレッションなど。
遅咲きは
⑤一重遅咲き(SL):花は大きく、草丈も高い物が多い。ピンクダイヤモンドなど。
⑥八重遅咲き(DL):八重咲きで、花は大きく、草丈も高い。
アンジェリケ、ベリシアなど。
⑦ユリ咲き(L):花弁の先が尖って反り返って咲く。バレリーナなど。
⑧フリンジ咲き(FR):花弁の先がギザギザにになる。イズミなど。
⑨ヴィリディフローラ(V):花弁中央に緑色の線が入る。通称グリーンチューリップ。
スタイリッシュトリオチューリップの3品種(~グリーン)など。
⑩レンブランド咲き(R):絞り模様が入る。17世紀のオランダでは1億円相当で取引されたという高級チューリップ。ミッキーマウスなど。
⑪パロット咲き(P):ユニークな形と珍しい色で咲く。フレーミングパロットなど。
原種系は
⑫カウフマニアナ(K):原種系(中央アジア原産)。早咲きで草丈が低いミニチューリップ。ヨハンシュトラウスなど。
⑬フォステリアナ(F):原種系(中央アジア原産)ウィルス病に強い。ピューリッシマやスィートハートなど。
⑭グレイギー(G):原種系(中央アジア原産)葉に斑入りするものが多い。
⑮その他:原種系の上記以外のもの。
となります。
要は、綺麗だと思う品種を植えれば良いんだと思います!
5:チューリップの育て方(栽培方法)をわかりやすく教えてください!
大丈夫、チューリップは育てやすいお花です。植えっぱなしでも翌年咲いたよ! と仰っていただくこともあるのですが、私は球根を掘り上げても翌年ちゃんと育てられた事がありません……。球根を太らせて翌年も咲かせるというのは憧れです!
●球根の保管場所には、風通しの良い涼しい日陰を選んでください。
●植え付けは、残暑がなくなり涼しくなってから~年内迄がお勧めです。
秋植え球根のチューリップは暑さにとっても弱いので、まだ暑いなぁと感じる場合は植えるのをもう少し待ってあげて下さい。
●植えるときの深さは10cmくらい。
花壇に植える場合は、球間約5cm
鉢の場合は、6号鉢に5球が基本ですが、もっと密に植える方が豪華に見えます。
★★密植え★★
花壇・畑の場合:1㎡に100~150球
65cmプランターの場合:約20~30球
10号鉢の場合:10~15球
●植え付けを行ったら、たっぷりと水を与えてください。
植えつけてからの管理で大事なことは、
①冬の寒さに十分あてる。
②水やりを忘れずにおこなうこと(極端に乾燥させると花が咲きません)。
の2点です。
●開花時期(暖かくなった頃)がくると花が咲きます。
近年の気象条件(寒い冬から春になり急激に温度が上がることが多い)では十分に草丈が伸びずに、草丈が低いままで花を咲かせることが多いようです。
●球根を採種される場合は、花が終わったらすぐに花首から花を摘み取って下さい。
球根に栄養を与えるため、茎や葉はそのまま残すようにして下さい。
茎葉が枯れたら球根を掘り起こしましょう。
●掘り起こした球根は日陰で乾燥させてから秋の植え時期までの間、風通しの良い日陰で保管します。(球根の大きさが7cm以上あれば翌年のお花を楽しむことができます。
6:最後に、チューリップの魅力を教えてください!
そうですね、一番はやはり花色・花形の豊富さ。上でもお答えしていますが、チューリップほど様々な花色・花形のある花は他にないのではないでしょうか?栽培が簡単というのは重要ポイントだと思います!
ですが、これほど様々なチューリップがあることは、まだまだ知られていません。
珍しいチューリップを植えれば、注目されること間違いなし。
珍しい花色・花形の品種はまだまだたくさんあります。ただ、市場に出回るまでまだ時間が掛かりますので、気長にお待ち下さい。
あとは非常に扱いが手軽(植え付けまでの保管が簡単で、年内なら好きなときに植え付けできます)なこと。
栽培自体も、それほど難しくありません。
誰でも気軽に楽しめるというのは、素敵なことだと思います。
春の花壇をチューリップで彩れたら……。
きっとすごく素敵です。
もしまだ育てた事がなければ、プランターでも栽培できるとのことなので、マンションのベランダ等でちょっと挑戦してみても良いかもしれません。