
花の香りが漂い、鳥のさえずりも聞こえてきました。
春ですね。
「春」という言葉を聞くと、様々なことを思い浮かべます。
出会いや別れなど、新たな旅立ちの季節でもあります。
そんな時期によく見かけるチューリップには、皆様一人ひとりの思い出があると思います。
綺麗なチューリップを見て、新たな季節に胸を躍らせるのも楽しいものですよね!
チューリップは栽培簡単な球根植物で、園芸入門としても良い植物です。
「春のシンボル」として、小さなお子さんからお年寄りまで、多くの人々に親しまれています。
そのこともあってか、お客様から寄せられるお問い合わせも色々です。
基本的な管理方法はもちろん、中には我々も耳を疑うような驚きのお問い合わせまで……様々なお声を頂き、私どもも驚きと勉強の毎日です。
今回はそんなチューリップについてのお話です。
【チューリップの出身地は青森と同じくらいの寒さ!】
チューリップの原産地はトルコ辺りの中央ヨーロッパです。原産地では砂地に生えており、園芸品種もやはり水はけの良い土壌を好みます。
だからといって、水やりをサボってしまうのはNG!
チューリップは生育が旺盛で、水分を非常に好む性質があるためです。
球根を植え付けた後に水切れをおこすと、球根の中で花芽が枯れてしまい、春が来ても花を咲かせません。
過湿は厳禁ですが、冬の間もときどき水をあげてくださいね。
「でもウチは冬すごく寒いから」「雪が積もるから」「土が凍っちゃうから」といって、水やりを控えてしまう方もいらっしゃいます。
でもご安心ください。土の中は思っているより暖かいんですよ。
雪が積もったり、土の表面が凍ることにより、外の空気と土の間に雪や氷の壁ができます。
雪で作る「かまくら」の中が外よりも暖かいのは皆さんご存知ですよね?
つまり、積もった雪や氷が「かまくら」の役目を果たしてくれるというわけなのです。
一般的に、雪が積もった地表温度は1℃前後と言われております。
ね? 意外とあったかいでしょ?
さらに、チューリップの出身地・トルコのあたりは意外に寒いのです。緯度でいえば青森県あたりに位置します。
そんな国からやってきたチューリップの球根は、と~っても寒さに強いのです!
球根自体は-3℃前後まで耐えますのでひと安心♪
さらに球根は地中深くに植えてあるので、「かまくら効果」でもうひと安心です♪
「チューリップの花のつぼみが開かない」や「首が短く、背丈が伸びない」などの原因の多くが、冬の間の水不足です。
「そっか、冬にも水あげればよかったなあ……」確かにちょっとガッカリかもしれません。
けれど、工夫や試行錯誤こそ、園芸の醍醐味!
反省は今年の秋までお休みして、今年はミニミニの可愛らしいチューリップを楽しみましょう。
【片葉のチューリップ!?】
また、今年多くいただいているお問い合わせが、「葉が片方しか出ない」というもの。気温の急激な上昇による影響? うーん、我々もはっきりとした原因が分からず、可能性を探る毎日です。
私が個人的に栽培しているチューリップ花壇がこちらです。

その中にも片葉のものがあります。

よくよく観察してみてください……。
しっかりと花芽が付いているんです!
今、片葉のみなさんもご安心ください。綺麗な花を咲かせてくれると思います。
はたしてこの後、もう片方の葉は出てくるのか……観察を続けてまいります。乞うご期待!
【チューリップの花は開いたり閉じたり。】
チューリップは、昼間花が開いて夜間は閉じるものが多いんです。
この開閉を10回ほど繰り返すと、花が散ってしまうと言われています。

これが・・・
↓

こう!
エネルギーを使ってまでわざわざ開閉を行うという事は、何か意味があるハズなのですが、一体何なのでしょうね?
身近な植物にも不思議がいっぱいですね! だから園芸はやめられない(笑)
チューリップの花の開閉に関して「こうかもしれない」という案がありましたら、是非ご意見をお寄せください。
ちなみに。
この写真に写っているチューリップは原種の一種ですが、実は原種チューリップは驚くべき力を秘めていると言われているのです。
その力とは……まだ不確かで未知数ですが、もし実証されれば、特にバラを栽培している方には朗報かもしれません!
いつかこのブログにも、その内容が登場するかも? もう少し検証を重ねてみたいと思います。こちらも乞うご期待!!
それではみなさん、良い園芸ライフを!!