ajisai高温多湿で雨が多い、梅雨。あなたは好きですか?
私は突然の雨よりもしとしとと降る雨が好きです。
山や畑に水がしみ、恵みをもたらすだけでなく、蛙がよろこび空を洗い澄んだ景色を見させてくれるからです。
大人になった今もずぶ濡れになることを楽しんでみませんか?そうすると色々な景色が見えてきますよ。
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その雨と相性の良い花はなんといってもアジサイです。
私の誕生日が来るころに世界を飾る日本原産の花木です。
通学路にも沢山植わっており、匂いを嗅いだり切花に家に持って帰ったりしました。
この頃の記憶を基にしてか、アジサイは好きな花の一つです。

アジサイは自生していることからわかるように、国内で育てやすい花木です。
地植えなら肥料はそこまで与えず、花後にばっさり切るだけで病害虫もさほど出ず、毎年花をつけるので公園などでよく植えられていますよね?
国内のアジサイをヨーロッパに持ち込み、品種改良を加えられて園芸品種としてまた国内に帰ってくるアジサイはいうなれば、世界中の人々に愛されている花と言っても過言ではありません。

このアジサイは園芸を行う際にもとっても興味深い植物です。
多くの人は花の色というのは決まった1つだけのものと思われているかもしれません。
しかしどのような花の種類でも、品種でも花色というものは唯一ではなく流動的なものなのです。
咲き始めから色が変わる品種、一つの枝から咲きわける品種、白化個体などなど自然に色を変えることは多いです。

色を見ると言うことはどういうことでしょうか?
改めて考えてみるとよくわからない人は多いのではないでしょうか?
光には波長というものがあり、この長さによって異なる色に見えます。
人間が識別できる色は限られており、紫外線や赤外線は見えません。
太陽から発せられる光は白い光で、全ての波長が含まれています。
この白光が何か物に当たるとその物は光を反射します。
そこでいくつかの波長を吸収して反射し、その反射した波長を見ることによって色と認識しています。少し語弊はありますが、色というものはこういうものです。

では花色はどのようにしてできるでしょうか?
上記の事を考えると赤い花は、赤色の波長を反射しているもの、ということです。
次に色の作り方について説明します。色の元となるものは色素と呼ばれます。
植物の色素は例えば、アントシアニン、クロロフィル、カロテノイド(全て1つの物質でなく総称)などがあります。
いくつかは聞いたことのある名前があるのではないでしょうか?
この色素が、花の細胞中に含まれて色を発色します。
もちろん1種類だけでなく、複数種あります。
この1種でも、金属との結合の有無で複数の色を発色することができます。
更に花の種類によって色の出方が異なりますが、詳しくはまだ解明されていません。

アジサイの花の色は何色ですか? と質問すると大抵は青色という答えが返ってきます。
しかし色々なアジサイを見ているとピンク色のアジサイも見ることがあると思います。
この色の違いは苗木の違いによるものではなく、生育環境の違いによるものです。
これは花の中にあるデルフィニジンが青色もピンク色も発色できるからです。
デルフィニジンは単体で水に溶かすと酸性ならば青色に、アルカリ性ならば赤色に変化する物質です。
しかしアジサイに限っては逆の現象がおこります。
つまり土壌の酸度が酸性ならば青色に、アルカリ性に近づくとピンク色になっていきます。
これは色素と結合する金属量の変化が原因でおこることです。
酸性の土の中にあるアルミニウムは色素と結合しやすく、アルカリ性ならば色素と結合しにくいです。アルミニウムと結合したデルフィニジンは青色になるので花色が青色になります。
(※もちろんピンク系品種はあまり綺麗でない青色です。)

ヨーロッパで品種改良されたアジサイは赤色系統の品種が多いです。
これはヨーロッパの土は日本と異なる酸度の土だからです。
日本やヨーロッパの土壌酸度が酸性よりかアルカリ性よりかは、もうわかりますよね?
ヨーロッパの品種を写真で見て、実際に育ててみると全然違う花色が発現することがあります。
もちろん土壌酸度以外の要因も花色に影響するので一概には言えないですが、ここまでのお話を理解したあなたは、もう理想の色に近づけることができますよね?

実際には酸度調整はとても難しく、失敗を重ねることになるかもしれません。
しかしながらこのように試行錯誤を重ねることが本来の園芸であり、失敗や発見を繰り返すことを楽しむ人を園芸家と言います。
思った花色が出ない、花が咲かない、うまく育てられないなどなど悩みは尽きませんが、そういった苦労を乗り越えて咲かせた花は、格別美しく思えることでしょう。
植物は工業製品ではありませんから、同じ品種の中でも個体差が現れたり、年によって咲き方が違ったりしますが、それも個性のうちと楽しみたいものです。
それではみなさん夏風邪や熱射病に気をつけて園芸を楽しんで下さいね♪

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